芸能界。
財界。
政界。
税理士界。
あれ。
最後の一つ、知らないですよね。
でも、あります。
私たち税理士のところには、その名も『税理士界』という新聞が届きます。
日本税理士会連合会が発行している、税理士のための新聞です。
私は税理士になるまで、「税理士界」というものがあることを知りませんでした。
税理士という職業は知っていました。
街には税理士事務所がありますし、会社には顧問税理士がいたりします。
でも、その人たちの向こう側に、一つの「界」があるとは思っていませんでした。
ところが、中に入ってみると、ちゃんとありました。
独特の言葉があります。
独特の慣習があります。
組織があります。
中にいる人には当たり前なのに、外の人には何のことだかわからない話もあります。
そして、思っていたより裾野が広い。
中心にいるのは、もちろん税理士です。
けれど、その周りには、税理士ではない人たちもたくさんいます。
この世界で長く働いている人もいれば、これから税理士になろうとしている人もいる。
外から見ていたころには、その広がりは見えていませんでした。
不思議なのは、中に入ってしばらくすると、それがだんだん普通になってくることです。
最初は意味のわからなかった言葉を、自分でも使うようになる。
知らなかった組織の名前を、当然のように口にする。
その世界の中でしか通じない話を、その世界の人たちとする。
私もいまでは、すっかりこの界の住人です。
だから、ときどき『税理士界』という題字を見ると、うまい名前だなと思います。
芸能界。
財界。
政界。
税理士界。
ずいぶん堂々と並びました。
でも、中に入ってみると、たしかに「界」なのです。

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