エッセイ(小鳥遊まゆ)– category –
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ぴかぴか、ぺらぺら
税理士向けの業務用品カタログというものがあります。そこには、相続税申告書を綴じるための専用ファイルも載っています。黒い皮革風の表紙に、金文字。希望すれば、被相続人や相続人の名前を金箔で入れることもできます。最高級品は、一冊8,200円から。商... -
四十九日と、十か月
相続が始まると、いくつもの時計が動き始める相続が始まると、期限の多さに驚くかもしれません。3か月以内、4か月以内、10か月以内。役所の手続き、銀行の手続き、年金の手続き。それぞれに期限や順序があり、整理する間もなく、波のように押し寄せてきま... -
机の向こう側
私の事務所は小さく、執務室と面談室を分けていません。大きな机をL字形に並べて、一方ではパソコンに向かい、もう一方ではお客様と向かい合います。相続の仕事では、通帳や戸籍謄本、契約書など、たくさんの書類を広げます。面談に使っているのは、普通の... -
チェアパッド
私の事務所には、白い椅子があります。開業したころ、IKEAの通販で買いました。白くて、肘掛けがついた、ごく普通の椅子です。しばらくしてIKEAの店舗へ行ったとき、店内にあるだだっ広いレストランに入って驚きました。私が買ったものとよく似た白い椅子... -
手持ち無沙汰
最近、AIに仕事を手伝ってもらっています。AIに指示を出すと、そのあいだ私の手は空きます。待ち時間はそれほど長くありません。外へ出るほどでも、別の仕事を始めるほどでもない、中途半端な時間です。それで、ついYahoo!ニュースを開いて、何か面白い記... -
最後の忘れ物
相続の仕事をしていると、ときどき地方銀行の通帳が出てきます。亡くなった方が、昔住んでいた土地や転勤先で作った口座です。その土地を離れて何年もたち、口座だけが残っている。長く使われていないので、ご家族も残高を知りません。「たぶん、ほとんど... -
ハルシネーション
以下は、実際の原稿、会話ログ、複数のAIによる講評をもとに構成した法廷劇です。――法廷記者A9月3日、自分で書いた記事を読み返していた税理士Mが、一文の前で止まった。相談者は、椅子の足につかまりながら、床にしゃがみ込みました。Mには、そんなところ... -
ホッチポンと、はりトルPRO
ホッチキスには、たいていお尻のところに、針を外すための爪がついています。たいていの人は、それで十分なのだと思います。私も、昔はそうでした。監査法人に入ったとき、新人に一つずつホッチキスが配られました。MAXのものでした。同期の子が、「MAXは... -
三人目の専門家
以前、アメリカ人の英会話の先生に、私の仕事の話をしたことがあります。相続を専門にしている税理士です、と話すと、その先生は言いました。人生には、自分だけでは手に負えないことがある。だから、専門家が必要なんだ、と。医者。弁護士。そして、お金... -
AI研修の夜に
税理士会のAI研修に行ってきました。私は研修部員なので、その日は会務で受付をしていました。研修が始まる前、研修部の皆さんと受付に座っていました。少し暇だったので、右隣の先生に、最近、紙を束ねる道具と、それを外す道具に凝っている、という話を...